入門講座 胃癌診断の考え方・進め方・8
④量的診断をめぐって
市川 平三郎
1
,
城所 仂
2
,
八尾 恒良
3
,
多賀須 幸男
4
,
中村 恭一
5
1国立がんセンター病院
2順天堂大学消化器外科
3福岡大学第1内科
4関東逓信病院消化器内科
5筑波大学基礎医学系病理
pp.1126-1129
発行日 1979年8月25日
Published Date 1979/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107751
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●深さの診断
市川 次に,「量的診断をめぐって」へいきましょう.量的診断ということになると,病変の範囲のほかに,深さも関係するわけですね.深達度診断と範囲ということになるわけですが,深さの,要するに早期か,進行かという診断,それから,早期でもmか,smかという診断がありますね.それと広さですが,深さから先にいきますか.深さはむずかしいですね.
八尾 本当をいうと,深さの診断学はまだ出来上がっていないと思うんです.それの1つの原因は,立体構築をきちっとやって,肉眼標本とX線,内視鏡の場所の同定を正確にした上で所見の取捨選択をしなければいけない.すなわち肉眼標本でここのところが入っている,そのところがX線と内視鏡でこう見えるとやるわけですが,確実に同定できる症例が非常に少ない.そういう診断学が出来上がっていないので,やはり仕方がないという面があるわけです.
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