連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・20
臨床実習で学ぶ医療の質と安全教育
喜吉 紘子
1,2
1カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)大学院博士課程
2UCSF大学病院
pp.1122-1123
発行日 2010年12月25日
Published Date 2010/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101639
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●【新しい教育法】「臨床評価ツールにおける医療の質と安全教育」
Walshらによる「臨床評価ツールにおける医療の質と安全教育」を読んで,医療の質や安全も少しずつ看護の基礎教育でも重要視されてきているのかな,と感じ嬉しい気持ちになりました。この論文では新たな臨床評価ツール(Clinical Evaluation Tool)の中でも,Quality and Safety Education for Nurses(QSEN)に焦点に当てています。このQSENプロジェクトはRobert Wood Johnson(RWJ)財団の支援によって行われています。RWJは日本でもお馴染みのジョンソン&ジョンソン社を母体とし,医療・公衆衛生の進歩のために数多くのグラントや奨学金制度を提供しています。次に,AACN(American Association of Colleges of Nursing)が紹介されています。AACNは全米看護協会の教育・認定を専門に担当する機関です。ナース・プラクティショナーや認定看護師制度もAACNが担当しています。マグネット・ホスピタルの認定もAACN傘下であり,全米の看護教育の中核的存在です。Walshらが紹介するように,AACNの看護学部教育要点改正の意味合いは大きく,その項目には「医療の質と安全」が大項目として含まれており,教育要点改定にそって臨床評価指標がQSENプロジェクトなどを通じて見直されていることは理想的といえます。
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