特集 60周年記念号
温故知新―これまでの特集から振り返る
医療の質と安全
岩﨑 榮
1
1NPO法人 卒後臨床研修評価機構
pp.56-61
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101366
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「医療の質と安全」というテーマで,本誌『病院』が特集で取り上げた経過を振り返る時,少なくとも,「質と安全」とを同時に論じられるようになったのは,1999年米国医学院(IOM : Institute of Medicine)より『To Err is Human』という報告書1)が出版されて以来だと認識される.特にわが国においては,翌2000年にその訳本『人は誰でも間違える』が出版されて以来,急速に医療の質と安全への関心が高まったといってもよいであろう.
それまで,質と安全とは必ずしも一緒に論じられることはなく,安全が先にあって医療の質が後追いだったように思われる(このことについては2001年・2006年の特集で取り上げられているので後述する).
少なくとも,本誌『病院』が特集として安全をテーマに取り上げたのは,1964年23巻11号における特集「安全対策」を嚆矢とする.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.