実践報告
卒業前の多重課題演習プログラムと学習効果
金子 眞由美
1
1独立行政法人 国立病院機構愛媛病院附属看護学校
pp.980-985
発行日 2010年11月25日
Published Date 2010/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101609
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はじめに
現在,基礎看護教育で行われている実習の多くは,1人の受持ち患者を通して看護過程を展開する方法である。しかし,このような学習方法で学んだ学生が,新人看護師として働く現場は,在院日数の短縮化の中で,看護ケアは複雑化し多忙を極めており,複数の患者を受け持ちながら業務をこなしていくことは想像以上に厳しい。新人看護師は自分が学んだ基礎教育の内容とは程遠い現実に直面し,リアリティショックを受け離職につながっていると言われている。
そこで,当校では卒業直前の学生を対象に,現在の自分の力量を理解し自分の傾向に気づけることを目的に,臨床現場を想定した多重課題を学内で疑似体験する演習を行った。その結果,学生は自分の状況を目の当たりにして不安を抱いている半面,優先順位や連絡・報告・相談の重要性に気づき,今後の課題も見出すことができていた。今回は,その演習プログラムと学習効果について報告する。
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