特別記事
【対談】障害をもつ者として,教育と臨床現場の今後に期待すること
熊谷 晋一郎
1
,
栗原 房江
2,3
1東京大学先端科学技術研究センター
2聴覚障害をもつ医療従事者の会
3東京大学大学院経済学研究科
pp.878-884
発行日 2010年10月25日
Published Date 2010/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101583
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なぜ医療の道に進んだのか
栗原 私たちは2人とも,障害をもち医療へ携っています。今回は障害をもつ者として,教育と臨床に期待することを,話し合ってみたいと思います。
私の障害について最初にお話ししますと,小学校3年の春の健診で聴覚に障害があるとわかりました。当時は,25~30 dBの軽度であり,日常生活に支障はないと言われていました。19歳の頃,めまいで倒れて,それから少しずつ聴力が下がっていきました。それでも右耳が40 dB,左耳が35 dBぐらいで推移していました。25歳頃,右耳が突発性難聴になって90~100 dBと低下し,昨年の終わりぐらいからは左耳も落ち出して,今年になってスケールアウトになりました。
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