特別記事
フランス・フィンランドの看護教育の実際と日本への示唆
小山田 恭子
1
,
大川 貴子
2
,
大谷 和子
3
,
清水 多嘉子
4
1文部科学省 高等教育局医学教育課
2福島県立医科大学
3山形大学医学部附属病院
4文部科学省
pp.220-225
発行日 2010年3月25日
Published Date 2010/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101424
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はじめに
2009(平成21)年現在,看護系大学は178大学にまで増加した。大学数の増加は,幅広い能力を有する看護職者が多数養成されるなどのメリットを生んだ反面,実習施設の不足などさまざまな課題ももたらした。
このような状況を受けて,文部科学省では2009年3月に,「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」を立ち上げた。それに先んじて,多様な看護師養成のあり方を知り,検討会運営に反映させるために,フランス,フィンランドの看護師養成について視察を行った。4泊6日で2か国それぞれの行政機関,教育施設,病院を回るという駆け足の視察であり,個々の組織の事情を掘り下げて見ることはできなかったが,2か国の共通点と相違点,わが国の大学教育との差異など,多くの知見を得ることができた。本稿では視察内容の概略と日本の大学における看護師養成への示唆を報告する。
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