特別掲載
フィンランドのナース
形浦 昭克
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科
pp.52-56
発行日 1969年7月1日
Published Date 1969/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914532
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森と湖の国であるフィンランドは,スカンジナビア半島の東端にあって,東はソ連,西と北はスウェーデンおよびノルウェーを境としている。1906年世界で初めての婦人参政権を獲得したフィンランドの女性は,非常に明るく,よく働く民族である。フィンランドは日本全土よりやや小さいが,この国には500万に満たない人びとが暮している。ヨーロッパの北玄関であるこの国は,北緯60度から70度に位置する独立共和体制で,その首都ヘルシンキは「白都」あるいは「バルト海の乙女」と呼ばれ,岩の上にできた名にふさわしく,石や岩が街の中に点在している。何とはなしに,今なお自然に近い状態が,心を落ちつかせてくれるのである。
700年にわたるスウェーデン,続いて100年間のロシア統治下から.自らの手で,男性に混じて独立戦争に参加した女性は,フィンランドを訪れる私たちに,その語り草を誇らしげに語ってくれるのである。そしてヘルシンキ市内にあるナショナル・ミュウジアムに埋蔵されている一枚の絵を見せられるとき,彼らの独立精神が私たちの胸をひとしおに打つのである。
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