世界の女性・3
フィンランド物語
稲垣 克彦
1
1東京警察病院臨床検査部
pp.68-70
発行日 1961年11月15日
Published Date 1961/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911516
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フィンランドは森と湖の国,さらにつけ加えれば岩の国とでもいうべきであろう。氷河にけずられた岩がいたるところに肌をみせている。地図をみてもわかるようにその湖の形は氷河の走向を示しているのである。
フィンランドの珠玉と称せられる景勝の地,東部国境に近いラリペンランタ,プンカハリウにそれぞれ宿を重ねたのち私はサイマーからサボの湖を航行すべく古城でなだかいサボンリンナから“ヘイネベシ号”という遊覧船にのりこんだ。私は欧州各地を旅行する場合つねにその地方の地図と字引きをまず手に入れることにしているが,この船の甲板でも早速近づきになつたフィンランドの人々と字引きによる会話をはじめる。
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