特集 衛生教育の転換
フィンランドの衛生教育—青少年問題が中心
相磯 富士雄
1
1国立公衆衛生院衛生行政学部
pp.612-616
発行日 1970年10月15日
Published Date 1970/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204151
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昨年春,WHOのフェローシップにより2カ月余の期間,欧州諸国における健康増進対策を学ぶ機会を得ました.しかしHealth Promotionということで,私のために用意された訪問先はリハビリテーション関係施設や体力医学施設および関係者が多く,わが国でいっている健康増進対策に関するようなことは余り見聞できませんでした.運働・栄養・休養の綜合的対策については行政組織上のセクショナリズムがわが国同様わざわいしているようです.それ以上に,学問的にも綜合的な健康増進という形で取りくんでいる研究所はほとんどなく,デンマークのDr.Molbechによれば欧州ではチェコスロバキヤのKARLOVYVARYにあるKALS大学の附属研究所だけであり,そこへ立寄ることをすすめられましたが機会を得ることができませんでした.
健康増進対策が主テーマであるため,衛生教育については多く見聞するチャンスがありませんでしたが,比較的長期にわたって滞在していたフィンランドについての印象を,紹介することとします.
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