書評
―『教える人としての私を育てる』―学生のこころをゆさぶる教育実践力が伸ばせる贅沢な内容
新庄 和美
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1独立行政法人国立病院機構京都医療センター附属京都看護助産学校看護学科
pp.141
発行日 2010年2月25日
Published Date 2010/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101404
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昨今の看護師養成所では社会人としての経験のある入学者の割合が増えている。社会人入学生への教育は,豊かな経験と幅広い知識をもつ人たちに行われる成人教育としての側面が大きい。彼らの学習意欲を満足させ,多様な価値観や考え方のうえに人間愛を基盤とする“看護のこころと技”を育んでいく教育が求められている。それは同時に教える者の教育力や指導力が問われることでもあり,時折,自分にそのような教育ができるのだろうかと不安にかられる。
ちょうどそのような時,本書に出会った。読み始めると,「学ぶとは何か」「学生の学びに看護教員や実習指導者はどのようにかかわればよいのか」という,これから看護教育をめざす看護師にとっても,すでに看護教育に携わっている者にとっても命題ともいうべき「問い」に対する心地よい応答が得られ,夢中になって読み進んでしまった。
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