特集 これからの公衆衛生看護教育を考える
生涯教育と公衆衛生看護教育の充実
宮地 文子
1
Fumiko MIYAZI
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.102-105
発行日 1992年2月15日
Published Date 1992/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900519
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■はじめに
孔子は「吾十有五にして学に志す.三十にして立つ.四十にして惑わず.五十にして天命を知る.六十にして耳に順う.七十にして心の欲する所に従って,矩を踰えず」と人生の各段階のあるべき姿と,それに近づくために生涯学び続けるよう諭した.生涯学習の必要性を古来幾多の賢人たちが説いている.
今日のように激しい社会変動の時代は,生活の知恵の伝授者と敬われてきた老人も,過去の経験が役立たなくなって,新しい学習を迫られ,人々は生活行動の規範を自ら創造してゆかなければならない.1965年にユネスコで「生涯教育」が取り上げられてから,あらゆる年齢と生活環境下にある人々が生涯を通して教育を受け続ける権利を保障する努力が重ねられている.
公衆衛生活動を担う保健婦の生涯学習への期待は,社会の一員としてのみならず,保健看護技術の進歩とヘルスニーズに応え得る能力を求めるところにある.
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