連載 教育の地平線・8
―「社会問題と自分とのつながりに気づけば,自分がどうしたらいいかという次のアクションが起こせます」―持続可能な社会を築くために連携し,働きかけるESD 重 政子さん
本誌編集室
pp.787-791
発行日 2009年9月25日
Published Date 2009/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101290
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ESDは「日本発」の国連キャンペーン
──重さんの活動のお話を伺う前に,まず,「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)」とは何かについて教えてください。
重 「持続可能な開発」という概念が国際社会に提起されたのは,1987年のブルントラント委員会の報告書“Our Common Future”においてです。これまでの開発は環境破壊や貧富の格差を拡大する持続不可能な開発であったことを認識し,そこからの転換を目指す必要性が指摘されました。「持続可能な開発」は「将来世代のニーズを満たす能力を損なうことなく,現代世代のニーズを満たすような開発」と定義され,環境問題と貧困克服の問題をともに解決するような開発のあり方を模索するよう世界に呼びかけたのです。ESDはこの「持続可能な開発」を実現するための「人づくり=教育・学習」のことを指します。
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