連載 Let's Talk about Woman's Health⑭
ストレス社会を自分らしく生きる
江夏 亜希子
1
1イーク丸の内・婦人科
pp.562-563
発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100312
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- 文献概要
ストレスはいつもそこにある
先月号の話の中で「ストレスを感じずに生きるのは不可能」と書きました.そもそもストレスという言葉の定義が難しいのですが,大まかには「精神緊張・心労・苦痛・寒冷・感染などごく普通にみられる刺激(ストレッサー)が原因で引き起こされる生体反応の変化.一般には,精神的・肉体的に負担となる刺激や状況」のこととされます.ストレッサーにさらされた時,「ストレスホルモン」と呼ばれる副腎皮質ホルモンなどの分泌が亢進し(警告反応),ついで全身の防衛反応が起こり,抵抗力の増大した状態が維持され(抵抗期),その後にはこの状態が失われ(疲憊期),「病気」が引き起こされるという「ストレス学説」がセリエによって提唱されて一気に注目を集め,以来,ストレスという言葉が一般にも使われるようになりました.
ストレスというと現代社会特有の問題のように言われますが,たとえ自然の中で自由に生きようとも,天変地異はいつ起こるかわかりませんし,対人関係のストレスは今も昔も変わらないはずですし,身の回りで起きるすべてのことがストレスになり得るわけです.それならば,「ストレス社会」の中でいかに自分らしく生きていけるかを考えてみましょう.
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