特集 教育に国際的視野を―国際看護学への道
多文化社会の言葉と医療─今そこにある国際化
西村 明夫
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1NPO法人多言語社会リソースかながわ(MICかながわ)
pp.33-37
発行日 2009年1月25日
Published Date 2009/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101106
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多文化社会の状況と医療
日本に在住する外国人は215万人を超え,そのうち日本語会話が困難な人が多くを占めるニューカマー外国人注1)は172.3万人で,10年間に78.4万人も増えている(図1)。ちなみに「172万人」という数値は,政令指定都市である神戸市約153万人の人口を上回る。ニューカマーの出身国は,①中国,②ブラジル,③フィリピン,④ペルーと続き,アジアと南米で全体の9割を占める。昔は外国人と言えば欧米系の白人を想像したが,今やそうした外国人は少数派となっている。
こうした在住外国人は日々生活するなかで病気にもなるし,けがもする。たとえば神奈川県では年間の通訳者要請回数が300回を超える医療機関が3つあり,東海地方では病院が複数名の通訳者を雇用して年間数千件の通訳に対応している現状がある。
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