連載 医療と社会 ブックガイド・85
『社会福祉学の〈科学〉性─ソーシャルワーカーは専門職か?』
立岩 真也
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.792-793
発行日 2008年8月25日
Published Date 2008/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101008
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本書は,1999年に大阪市立大学大学院に提出された修士論文に加筆・修正を施したものである(ただその一部は後に記す別の本になっている)。そのもとの論文は,本人(この本の著者)によると,400字詰原稿用紙─という計算法もすたれつつあるのだが─ちょうど777枚という長いもので,「社会福祉の学問と専門職」と題されていた。私のHPに掲載させてもらっているが,私が読む機会を得た修士論文(私の職場では博士予備論文)のなかでとてもよいものだと思ったので,幾度か紹介もしてきた。
そして,その論文をもとに,著書が刊行されることになることも聞いてはいた。ずいぶんな時間が経ってしまったのだが,昨年刊行された。ではその出来はどうか。実は,第52回(2005年8月号)で,同じ著者の本『児童虐待と動物虐待』(青弓社,2005)を紹介したことがあって,その時にも同じことを述べたのだが,結局は,なんだかよくわからないところが残る本で,結論から言えば,成功作と評することはできない。
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