連載 東洋医学講座 鍼灸医学を中心に・9
外科領域を中心とした鍼治療―術後の合併症に対する鍼治療の応用
今井 賢治
1
1明治国際医療大学臨床鍼灸学教室
pp.784-789
発行日 2008年8月25日
Published Date 2008/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101006
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はじめに
外科手術後にはさまざまな合併症を伴う可能性があり,鍼灸治療をはじめとする各種の物理療法が応用されている。鍼治療に関しては,手術直後の疼痛管理から,術後数週間経過後のマイナートラブルまでフォロー範囲は広く,その有効性を述べた報告も多く見受けられる1~4)。だが,実際には,日本の医療体系の中に鍼灸治療が定着していないこともあり,残念ながらその意義と価値はほとんど注目されていない。
本稿では,簡単ではあるが,まず,術後の時間経過のなかで,鍼治療がどのように臨床的に応用されているのかを紹介する。そして,統合医療の一翼として術後の合併症に対する鍼治療の応用の事例と可能性を述べることとする。
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