特集2 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
論文部門
精神障害者が相談において援助者に求めるもの―A地域活動支援センター利用者へのインタビューから
中島 泰葉
1
1市立名寄短期大学看護学科(投稿当時)
pp.723-726
発行日 2008年8月25日
Published Date 2008/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100994
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はじめに
わが国の精神保健福祉施策において,精神障害者は長い間「病者」として扱われ,長期入院を余儀なくされてきた。日常生活上の意思決定さえ他者に委ねるような「保護的」環境下におかれ,自己選択・自己決定の機会を制限されてきたことも事実である。また,思春期から青年期の発症が多いために,さまざまな社会的経験が十分でないことも少なくない。1995年,障害者基本法において精神障害者も障害者として福祉の対象と位置づけられ,収容・保護から地域生活支援へと施策の方向性が変化した。しかし,いまだ精神障害者が生活者として自分らしく生きることのできる社会が実現したとは言い難い。社会的サービスの充実とともに,彼らの自己選択・自己決定を支え,地域生活を支援する援助者の存在がなければ,精神障害者が自分らしく生きられる社会は実現しないであろう。
精神障害者の地域生活支援において,「相談」は重要な支援方法の1つである。本研究では,精神障害者の支援における「相談」に着目して,援助者のあり方について検討してみたい。
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