発言席
相談援助者の役割
横山 桂子
1
1大阪薫英女子短期大学
pp.707
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207578
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社会変動の激しい流れのなかで,核家族化が進み,しかも孤立する家族が増えている。家庭内でも家庭外でも,人間関係は希薄になり,家族の機能も弱体化しつつある。家族が家族としてのまとまりを保ち,子どもの社会化や情緒的安定の場としての役割を果すとき,家族のなかで解決されてきた問題が,今ではその解決に社会的援助を必要とすることが多くなってきた。こうして,家族外の相談援助の担い手にさまざまな相談が持ちこまれ,最近の都市部では,育児相談や子どもの110番などとよばれる電話相談が大モテのようである。
昨今では,社会的援助としての相談援助を求めているのは,障害者(児)の家族とか老人などの特殊な状況を抱えている人達とは限らない。孤独を背負って生きるごく普通の人々にも,相談援助へのニーズは高まっている。どのような専門領域を背景にしていようとも,相談援助活動に携わる者は,この普通の人々のニーズの受け皿になる役目も見落してはならない。
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