調査報告
「地域の健康相談の場」利用者・未利用者の比較―高齢者を病院以外の相談の機会につなげるために
石川 孝子
1
,
藤田 淳子
2
,
乙黒 千鶴
2
,
福井 小紀子
2
1日本赤十字看護大学大学院
2日本赤十字看護大学
pp.968-973
発行日 2013年11月15日
Published Date 2013/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688102652
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「地域の健康相談の場(以下、相談の場)」の利用者・未利用者の属性、医療に対する認識、利用ニーズを比較することを目的に、利用者34名と未利用者(A地域の住民2000名のうち、相談の場を利用したことがないと回答した515名)を対象に質問紙調査を行なった。質問内容は、相談の場の利用ニーズ、相談の場の利用効果の認識、基本属性などであった。分析は、相談の場の利用状況・利用効果の認識と利用ニーズ・基本属性をカイ2乗検定、フィッシャーの正確確率検定で比較した。有効回答率は、利用者75.6%、未利用者25.8%であった。利用者は、女性、大卒以上、医師依存の傾向が弱い人が多く、利用効果の認識として交流の増加、孤独感の回避などがみられた。一方、未利用者の3~5割に、病気・介護・薬などの点で医療・介護についての利用ニーズがあることを示された。医療や介護の相談をきっかけとして利用に結びつける工夫が必要である。
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