連載 新カリキュラムを追って・9
統合分野の実習への展望―「多重課題」と「看護管理」を視点においた基礎看護学実習Ⅲの展開
篇原 志信
1
,
川瀬 純
1
,
安井 千明
1
,
荒井 美千代
1
1富山赤十字看護専門学校
pp.524-528
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100941
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はじめに
今回のカリキュラム改正では,「統合分野」が新たに設けられた。そのなかの「看護の統合と実践」では,医療安全,看護管理,チーム医療等を学び,複数患者の受け持ちや夜間実習なども含めたより臨床実践に近い形で実習を行うことが求められている。
富山赤十字看護専門学校では,1996(平成8)年度以降,基礎看護学実習Ⅲにおいて学生は4人床を受け持ち,自己の看護観を身をもって体現するという実習を展開してきた。その後,2004(平成16)年度からは,「働く場としての臨床」を看護安全や組織管理の側面からも理解することを目的に「師長と共に行動する」実習を加えた。実習内容の変更にあたっては,臨時に臨地実習指導者協議会を開催し,変更の主旨及び展開方法を説明し,師長及び指導者の理解を得た。
さらに実習を効果的に展開するために,実習開始前,実習終了後にそれぞれグループワークを取り入れ,実習目標の焦点化や学びの整理を行った。その後も教師会議等で学生の反応も含め評価検討を重ね,今年度新たに新卒看護師との交流の場も設けた。その結果,実習後の学生から高い評価を得た。
この実習展開が,カリキュラム改正後の統合分野の「看護の実践と統合」の内容に適うものであると考え,その取り組みについて報告する。
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