扉
今年の初夢
和賀 志郎
1
1三重大学脳神経外科
pp.211-212
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436202782
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「40過ぎたら人を褒め」と説教されたのは東海地域に来てからだ.前任地が討論の自由の本家家元のようだったので,東北の片田舎で素直に育った男が,都に出て身につけた悪癖はかなり悪性でなかなか治癒しなかった.ようやく10年経って生存率が何%かに向上したのか,何かの薬物が効を奏したのか,最近は褒めることが多くなった.褒めないまでも悪口を言わないように気をつけている.知らない人は老化したのか痴呆化したのかと思っているに違いない.「違うんです.人格が高貴になったんです.」と広告を出したい位だ.
教官生活も20年以上になった.自分では良い事をして来た方が多いと信じているから辞表を出さなくてよいというものだろう.教官殿にはどういうわけか,多分他所では勤まらないためなのだろう,変人奇人が多いと信じられている.多分自分もそう思われているのだろうが,その本人でさえ奇人変人とはこのような人かと思う人が必ずいる.これらの人々が"まとも"で,こちらが"変"なのかと錯覚(?)するほどである.
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