交見室
重複癌の増加傾向について/腎偽腫瘍について
藍沢 茂雄
1
,
永井 純
2
1慈恵医大病理
2帝京大医学部放射線科
pp.852-853
発行日 1983年9月20日
Published Date 1983/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203662
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重複癌の診断基準はWarren & Gatesの提唱したものに従つていると思われるが,この基準は不完全なため,多くの重複癌の報告はそれぞれの著者により新たな追加基準がもうけられがちである。
第一の問題は,いわゆる"多発癌"の取り扱いで"同一臓器に複数の癌が発生する"ことは多発性骨髄腫,悪性リンパ腫,肝細胞癌などにみることができる。泌尿器科系領域では腎孟から後部尿道へかけての移行上皮より発生する癌も多発癌と考えてさしつかえなく,通常これらの連なつた移行上皮を同一臓器と拡大解釈する。これら多発癌を重複癌に組みこんでしまうと重複癌の統計は混乱を来す。
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