特集 専門職の実践的力量を形成していくために
―インタビュー―看護教育への警鐘―いまこそ行動主義的な教育体制からの脱皮を
佐伯 胖
1
,
前川 幸子
2
1青山学院大学社会情報学部
2甲南女子大学看護リハビリテーション学部
pp.388-394
発行日 2008年5月25日
Published Date 2008/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100915
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厳しい課題
佐伯 いま,看護教育を外側から見ると,厳しい課題を突きつけられて,その結果,行動主義的な教育体制にがんじがらめになっているように思います。それができてしまう構造を看護教育はもっている。それを引っくり返すにはどうしたらいいかが,きょうの最大のテーマになると思います。
なぜ,看護教育が行動主義的な教育体制をもっていると私が思うのか。それには,看護が専門職として権威づけしなければならなかったということがあります。そういうことはどんな分野でもありますが,看護もまた,専門職として位置づけ,看護の特技として普通の人にはできない何かを明確にしなければという背景があって,専門職化という流れのなかで「できるべきこと」がリストアップされ,それがより詳細になり,個別化していったという経緯がある。それからもう1つ,医療事故が社会問題となるなかで,命を預かっている職業であるのだからと,危険防止,危機管理的な意識が高まった。それが高まるほど「できるべきこと」の項目が増えていった。
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