連載 私の一冊・23
マクドナルド化する社会への警鐘
武井 麻子
1
1日本赤十字看護大学
pp.266-267
発行日 2007年3月25日
Published Date 2007/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100645
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■『感情と看護』のもたらしたもの
「感情労働」という社会学の概念をキーワードに,2001年に『感情と看護―人とのかかわりを職業とすることの意味』を医学書院から出版した。その当時は,感情労働という言葉を知る看護師はほとんどおらず,自分たちがモヤモヤと感じていることにはじめて言葉が見つかって感動したと言ってくださる方が多かった。
その後,看護の感情的側面が注目されるようになり,そうしたテーマでの看護研究も数多く見かけるようになった。バーンアウトという言葉しか知らなかった看護の世界に「共感疲労」という訳語が定着したのも,こうした動きと関連しているだろう。さらには「感情労働尺度」なるものまで生まれるに至って,この言葉を紹介した私としては複雑な思いである。
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