連載 患者学通信・12
「思い」を学問にする方法
田中 祐次
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1東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム
pp.165
発行日 2008年2月25日
Published Date 2008/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100867
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この連載は本誌2007年1月号の柳田邦男さんとの対談からスタートしました。残すところあと2回となったので,これまでのまとめをしたいと思います。患者学という言葉は最近よく見ますが,学問としては確立されていません。この現状をなんとかしたい,学問として確立させたい。そのために,行き着いたのが学会設立です。
学会とは学問を追究する研究者の集まりです。そこで,患者学を研究する研究者の集まる場として学会をつくることを考えました。そのためには患者学とは何かということをみんなで共有することが必要でした。そこで私の考える患者学というものをこれまで紹介させていただきましたが,その究極は「思い」です。人の思いの大切さは日常生活を送っていても,本を読んでも,芸術を見ても皆が感じることです。もちろん医療の世界でも例外ではありません。
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