連載 患者学通信・2
患者の声を学問にするためには
田中 祐次
1
1東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム
pp.245
発行日 2007年3月25日
Published Date 2007/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100640
- 有料閲覧
- 文献概要
前回は,「患者さんの声を医療に届けるためにはどうしたらいいのだろうか?」をいかに実践するか,そのなかでも,患者さんの声はどこにあるのかを考えました。その1つの形として,病院ごとの院内患者会,つまり患者・患者家族が本音を語れる場を設立し始めていることについて書きました。今回は,その声をどのようにして医療の現場に届けるのか,大きな流れについてお話したいと思います。
「医療の現場に届ける」ということは,文字通り医療従事者に,患者・患者家族の声を届け,それを生かすことだと思います。生かすために,看護教育,医学教育など教育の場までそれらを届けていかなければいけないと思います。そのためには,患者の声を学問としていくこと,つまり論文が必要です。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.