連載 私の一冊・32
尊厳死を考え続けて
真部 昌子
1
1共立女子短期大学看護学科
pp.1116-1117
発行日 2007年12月25日
Published Date 2007/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100837
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「私の一冊」というこの欄に,自分の著書について書くのはおこがましい感じがするが,7月の初めに,私は一般の方々を対象とした新書『私たちの終わり方 延命治療と尊厳死のはざまで』を上梓した。内容は,「現代医療の転換期を迎えて」「尊厳死と尊厳ある死」「自分の死に方を決められるのか」「日本における安楽死の実態」「尊厳死・安楽死と医療の南北問題」「脳死と移植医療の問題」「植物状態患者と家族の関係」の7章からなるが,どれも,これからの死を考えた重いタイトルである。
私は10年前,貴山じゅんというペンネームで植物状態の患者と家族,看護学生や医師を題材にした『ベジタブル』『ストマック・チューブ』(立風書房)という小説を執筆している。この2冊は自分自身の臨床での学生指導経験をベースにして,生と死を考える内容を盛り込んだ小説であるが,今回の『私たちの終わり方』は,学生指導の経験だけではなく,これまで追求してきたテーマである “尊厳死”をベースとしている。
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