看護教育研究
韓国における専門看護師
八代 利香
1,2
,
金 順子
3,4
1鹿児島大学医学部保健学科総合基礎看護学講座
2前大分県立看護科学大学国際看護学
3高麗大学
4延邊科学技術大学看護大学
pp.909-914
発行日 2007年10月25日
Published Date 2007/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100791
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はじめに
1992年の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が制定されて以来,看護系の大学・学部・学科が急激に増加している。2007年4月には看護学系の修士課程を設置した大学は96校にもなった。修士課程では9分野の専門看護師(Certified Nurse Specialist : CNS)の教育も行われているが,10年間で養成されたCNSは,139人にとどまっている1)。看護系の大学院で学ぶ学生が1学年で約1400人にも達した今,看護学修士課程のあり方を抜本的に考え直す時期ではないかと思う。
韓国では第二次世界大戦以降,米国の看護教育を研究し制度に取り入れた結果,大学化,大学院化が日本より早く進み,高度実践看護師の制度も米国にならって取り入れている。本稿ではそれを韓国の漢字表記に従い,専門看護師と呼ぶ。2003年には専門看護師(Nurse Practitioner : NP, Clinical Nurse Specialist : CNS)の制度を大幅に改正した。韓国の専門看護師は処方権が認められていること,国家資格であることなど,日本の修士課程での教育を考える上で,参考とすべき事項が数多くある。
そこで本稿では,韓国における専門看護師の教育制度の概要を紹介する。
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