特集 学生のヒヤリ・ハットから学ぶ看護技術テキストの作成
学生のヒヤリ・ハット体験に関する実態調査
佐々木 幾美
1
,
本庄 恵子
1
,
奥田 清子
1
,
森 祥子
1
,
田中 孝美
1
,
川原 由佳里
1
,
𠮷田 みつ子
1
,
守田 美奈子
1
,
村上 睦子
1
,
川島 みどり
1
1日本赤十字看護大学
pp.885-889
発行日 2007年10月25日
Published Date 2007/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100786
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はじめに
看護技術は,安全と安楽に留意して実施する必要性が示唆されている1─3)。医療技術の進歩に伴い,高度な医療器機の操作に加え,重症度の高い患者をケアすることも多くなり,看護技術はますますリスクを伴うようになってきた。このような背景から,看護学教育には,安全な看護技術を提供することができる看護師の育成が求められている。
私たち研究班は,ヒヤリ・ハット体験およびアクシデント体験(以下,ヒヤリ・ハット体験)の実態から明らかにされた「医療事故を防ぐ視点」をエビデンスとして看護技術を検討することを考えた。すでにヒヤリ・ハット事例や事故事例に関する研究が全国規模で実施され看護技術教育の検討がなされているが4, 5),看護学生を対象とした全国規模の研究はいまだ少ない。
本研究では,看護学実習における看護学生のヒヤリ・ハット体験に関する実態把握を目的として,全国規模の質問紙調査を実施した。ここでは,ヒヤリ・ハット体験の数量的調査と,実際のヒヤリ・ハット体験事例を具体的に把握するための調査とで質問紙を構成し,2つの観点から学生のヒヤリ・ハット体験の実態を明らかにした。
本稿では,数量的な調査データをもとに,1)ヒヤリ・ハット体験頻度の高い技術項目,2)各教育機関での学年による比較,という点から学生のヒヤリ・ハット体験の実態とその特徴を紹介したい。
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