特集1 看護学生の論文
入選エッセイ・論文の発表
論文部門
抗がん剤治療を受ける老年期患者の看護―食行動を高める関わりから学んだこと
有吉 真由美
1
,
間宮 可奈恵
1
1新日鐵八幡記念看護専門学校
pp.707-710
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100742
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はじめに
東口は「栄養管理はすべての疾患治療のうえで,共通する基本的医療の一つである。一般に栄養管理をおろそかにすると,いかなる治療も効力を失い,さらに侵襲的治療法に伴う副作用や合併症の発生を容易にすることが指摘されている」1)と栄養管理の必要性を述べている。実際に医療の場ではNST(Nutrition Support Team)と称し,栄養サポートを職種の壁を越えて実践するチームが設けられている。看護師は患者のそばにいて患者の日常生活の様子を一番把握しており,毎日の食事量・食欲・間食の有無・食行動にまつわるチーム内の調整的役割としても重要な存在である。
今回私たちが受け持った患者は抗がん剤の副作用により味覚障害や悪心があり,食欲の低下がみられた。好きなものすら摂取できない現状はストレスを溜め,闘病意欲も低下傾向となった。そこで私たちは患者の食事摂取量が少しでも増加するよう口腔ケアや気分転換活動を通して関わっていった。患者との関わりを通して患者一人ひとりのニーズに合わせた方法を考えることが,患者の闘病意欲を高めることにつながることを学んだのでここに報告する。報告するにあたり,個人が特定できないように配慮した。
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