特集 在宅神経難病療養者の意志決定を支える
難病患者との関わりを通して学んだこと
吉田 佳代
1
1都筑医療センター訪問看護ステーション
pp.291-295
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100655
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はじめに
わたしが神経難病の方と初めて出会ったのは,子どもの頃にさかのぼる。近所に同年代の筋ジストロフィーの子が住んでおり,時々挨拶を交わしたことぐらいしか覚えていないが,その子が隣県の国立療養所に入院し,今後そこで生活することが決まったとき,なぜ親元を離れ病気と闘わなければいけないのだろう,家には帰って来られないのだろうかと思ったことが,ずっと心に残っていた。訪問看護を始めて6年間,特に難病看護に興味を持ち取り組んできた。在宅でお亡くなりになる方も年々増えており,本人と家族をともに支えることの難しさを強く感じている。特に難病患者は平均年齢が若いこともあり,家族の受け入れはより難しく,進行に伴う葛藤,人工呼吸器などの選択のサポート等も必要になってくる。
今回,当ステーションにおける神経難病患者の現状を報告するとともに,私が入職して初めて関わった難病患者の事例を通して感じたことをまとめてみた。
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