特集1 看護学生の論文
入選エッセイ・論文の発表
論文部門
感情の変化が激しい認知症患者への援助―ともに支え合う夫婦関係の支援
成瀬 寬子
1,2
1山口県鴻城高等学校衛生看護専攻科(投稿当時)
2山口県立衛生看護学院保健学科
pp.688-691
発行日 2007年8月25日
Published Date 2007/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100737
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はじめに
認知症は進行に伴い,感情失禁などの精神症状や暴力行為を呈することがある。これらの問題行動への対応の仕方について,鎌田は「表面的に行動を問題化するのではなく,破綻をきたしている行動が起きている背景・原因を把握することこそ,適切な援助への第一歩となる」1)と述べている。このように問題行動の背景に目を向けることは重要である。また,問題行動のある認知症患者をかかえる家族は,どのような対応をしてよいかわからず困惑していることが多い。
今回,激しい感情の変化がみられるアルツハイマー型認知症の患者,Aさん(女性,70歳代)を受け持った。患者の状況から感情の変化は夫婦の関係も影響しているのではないかと考えた。夫が認知症の妻を受け入れることができるように支援していくことで,Aさんの精神的安定を図ることができたため,その援助をふり返りここに報告する。
この研究は,個人が特定されないようにプライバシーの保護に留意することを,ご本人,家族,実習病院へ説明し,同意を得ている。
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