連載 ユースカルチャーの現在・49
職業選択の難しさ(2)―学校と現実社会の関係について
渡部 真
1
1横浜国立大学教育人間科学部
pp.692-695
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100464
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登場人物
A 大学教師:教育関連学部で社会学を教えている。50歳代,男性。
B 大学生:教育関連学部の4年生。20歳代,男性。
22歳の就職
A 今回は前回の続きで,若者の職業選択の問題を考えてみます。前回は『13歳のハローワーク』という本を使ってこの問題を検討してみました。「中学生の頃から,職業選択の問題を考えよう」「自分が好きでたまらないことを職業に選ぼう」という主張の本がベストセラーになったわけです。また中・高校生を「職業体験」と称して職場につれてゆき,実習させる試みもふえているようです。
B しかし,前々回の大学生の調査では,約半数の大学生が「働かずに生活できるなら働きたくない」と考えていました。男子の51.9%,女子の44.0%がそう答えています。ほかに,データはあるのですか?
A いくつか集めてみました。まず,社会経済生産性本部などが,本年度の新入社員3,843人を対象にした調査によると,全体の31%が「将来,正社員をやめてフリーターになる可能性がある」と答えたそうです注1)。
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