特集 成人の「発達障害」を理解する
関係がうまく結べない,その難しさをどう解決するか
角田 直枝
1
1日本訪問看護振興財団
pp.752-756
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101155
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はじめに
私は発達障害者支援の専門家ではない。だから発達障害がある利用者のケアをここで専門的に論じる立場にはない。しかし,私が2年程前から発達障害について学習してきたことは事実である。
そのきっかけは何かというと,「関係がうまく結べない」のは,利用者―看護師の関係だけではなく,看護師―看護師という職場の人間関係でもよくあるのではないかと気づいたことであった。そして,解決への糸口を模索しているなかで出会ったのが,この発達障害だったのである。
そこで,本特集のなかでは多少論点が他者と異なるとは思うが,本稿では利用者―看護師関係にこだわらず,むしろチームとして働く仲間のなかに存在する「関係がうまく結べない」難しさに焦点を当てて述べていく。
解決できるかというと実際にはそう簡単には解決しない。しかし,訪問看護師にとってはまだ馴染みの少ない言葉である「発達障害」について読者が理解を深め,互いのよい関係づくりに生かしてほしいと考え,いくつかの事例とその対応を紹介しようと思う。
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