ナマステ!ネパール・7
垣間見たネパール社会の性の現実
秋田 智枝
pp.826-828
発行日 1983年7月1日
Published Date 1983/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919901
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世俗から離れた山の宿ノーダラで思いがけない性の現実を垣間見る。
ノーダラという所へ行った時の夜のことを書きます.ノーダラへは,ポカラから徒歩で行きます,私はカメ足なので6時間くらいかかりました.途中は,はじめのうちセティ川という大きな川を横に見て歩き,そのうち何もない広い土地に出ます.人々が踏みしめてできた道が遠くの方へ見えなくなるまで続いています.シャン,シャン,シャンと鈴を鳴らしながら,荷を運ぶロバやラバの列が向こうの方から来て,私の横を通り過ぎ,やがて小さくなっていきます.喜多郎の“絲綢之道”のメロディーが聞こえてくるような感じです.日本は海に囲まれているので,ただひたすら歩いてゆけばどこかの国に着くという発想は持ちにくいと思いますが,ここにいて,たくましく歩き続ける人々の姿を見ていると,本当にこの地がヨーロッパまで続いているんだなあ,と遠くに目が伸びて行くような気がしてきました.
登り下りを繰り返し,やがて最初に着く宿場がノーダラです.アンナプルナやダウラギリの方へのトレッキング(高所ハイキング)もこうした道を通って,やがて奥の方へと入ってゆくのです.
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