Japanese
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Perspective●展望
肥満と糖尿病の切っても切れない難しい関係
Inextricable link between obesity and diabetes
赤井 裕輝
1
1東北労災病院糖尿病代謝センター
pp.8-9
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101150
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いきなり主観的な切り口から始まって恐縮であるが,糖尿病の治療状況の良否にはかなりの偶然性があると思う.よい血糖コントロールを得ている場合も,指導による成果というより患者の努力がたまたま問題点にヒットしたという,「たまたま」的要素によるところが大きいのではないかと思うのである.「糖尿病治療の手びき」にしても,「食品交換表」にしても,そのとおりに指導して,いったい何割の患者がHbA1c(JDS値)6.5%未満を達成するのだろうか.良好なコントロールの患者が,転居でわれわれのところを受診してきた場合などに痛感するが,患者の側の涙ぐましい努力でようやく達成できていることが少なくない.
一方で,インスリン治療,それも強化インスリン療法で1日4回の注射をしていながら,結果としてのHbA1c(JDS値)は9%,10%という症例もまたよく見かける.なぜであろうか.
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