病院看護婦意見調査報告より
人間関係と職業観
姉崎 正平
1
1病院管理研究所
pp.32-38
発行日 1966年1月1日
Published Date 1966/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912592
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Ⅰ.はじめに
病院という経営組織体は,従来から病院管理学などで行なわれてきたごとく,経済的側面を含めて物的技術的組織としてとらえられることが多かった。しかるに組織論的ないしは人間関係論的視角から,その人間組織体としでの面へのアプローチも閑却されてはならない。さらにそれを構成する成員の背景となりかつ病院が置かれている地域社会や国家の文化や体制をもあわせて考慮する必要がある。これらの視点から実態が把握され,問題点が改善されることによって病院が円滑かつ効果的に経営管理され,その目的を達することができるといえる。
今回は上のごとき意図のもとに,病院組織体を構成する幾つもの集団の1つである看護婦集団をとりあげ,1.看護婦を中心とした病院内の人間関係,さらに我国の歴史・文化などの社会的背景により,また専門職能の特性により規定されてきた看護婦集団のもつ性格が病院組織体内で機能すると考え2.社会的枠組から見た看護婦の職業観の2つに焦点を合せた意見調査の結果の一端を紹介する。
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