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南先生との出会い
安酸 最初に,自己紹介させていただきます。私は福岡県立大学看護学部の学部長をしています。また,日本糖尿病教育・看護学会理事で,糖尿病看護の認定看護師や日本糖尿病療養指導士の教育にも従事しています。
今日は,糖尿病の患者指導においてすばらしい実践をされている南昌江内科クリニックの南先生と,そのよきパートナーである患者の大村詠一さんに,お話をうかがいます。大村さんはエアロビックの世界選手権・ジュニア部門で二連覇という快挙を成し遂げていらっしゃいます。
最初に,お二人の出会いからお話しいただけますか?
大村 発病は小学2年の冬で,風邪をひいて病院へ行ったのですが,その前から喉が渇いたり,夜中にトイレに起きたりしていました。受診して尿を測ったら糖が出て,即入院となりました。ちょうど誕生日の翌日でした。
それ以来,入退院をくり返したのですが,エアロビックを続けたかったので,南先生を紹介してもらいました。それが中学2年のときです。
安酸 エアロビックは,いつ頃から始められたんですか?
大村 4歳からですから,病気よりずっと早いです。病気になっても続けたかったので,血糖コントロールをしようとしたんですが,うまくいきませんでした。特に,小学校5~6年からは競技のエアロビックに転向したので,運動量がハードになり,大会で倒れることもありました。
大きな大会に出始めたのは,中学1年くらいからです。中学2年で南先生のクリニックに通うようになってからタイトルを取るようになり,ユースの部では世界チャンピオンになることができました。いまは一般の部に変わって,また試行錯誤でがんばっています。
安酸 南先生と出会ったときの印象はどうでしたか?
大村 先生自身も糖尿病なので,実際にご自分でなさっていることを教えてもらえるので,説得力がありました。
安酸 たぶん,患者であり医師でもあるという事実が,具体的で説得力をもつということだと思いますが,その中身をもうちょっと詳しく教えてもらえますか。
大村 一番大きな違いは食事です。以前はカロリー制限をしていたんですが,南先生は,成長期にはしっかり食べて注射の量を増やしてコントロールすればいいという考え方です。競技をやっている身としてはとても助かります。
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