研究報告
教育ニードアセスメントツール─看護学教員用─(FENAT)の開発
舟島 なをみ
1
,
村上 みち子
2
,
亀岡 智美
3
,
三浦 弘恵
1
,
山下 暢子
2
1千葉大学看護学部
2群馬県立県民健康科学大学
3国立看護大学校
pp.350-355
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100276
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はじめに
1999年に大学・短期大学設置基準が改正され1, 2),教員としてより良くなることを助ける教育,すなわちFD(Faculty Development)が各教育機関の努力義務となった。また,2002年に専修学校設置基準3)が改正され,FDの一部である自己点検・評価および外部評価が各学校の努力義務となった。これら以降,FDは教育機関共通の課題となり,この状況は看護職養成教育機関においても同様である。
看護職養成教育機関が効果的なFDを展開するためには,まず,その機関の所属教員が,教育に携わる看護専門職者としての望ましい状態に近づくための教育の必要性,すなわち教育ニードを把握する必要がある。また,そのためには,看護専門職者としての望ましい状態と現状の乖離の程度を明らかにし,その乖離を小さくするために学習すべき側面を特定する。教育ニードアセスメントツールの活用が有効である。しかし,文献を検索した結果,そのような尺度は開発されていなかった。
そこで筆者らは,看護学教員のための教育ニードアセスメントツールの開発をめざし,第1段階として,教育に携わる看護専門者としての望ましい状態を解明する質的帰納的研究4)を行った。本研究は,尺度開発の第2段階に位置し,この先行研究を基盤として,教育ニードアセスメントツール─看護学教員用─を作成し,その信頼性・妥当性検証を試みる。
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