看護教育研究
実習中に学生が起こした事故の実態および事故防止に向けての効果的な教育方法
中村 珠実
1
1関西医科大学附属看護専門学校
pp.434-439
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100260
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はじめに
医療事故の問題がクローズアップされ,その報道が後を絶たない現在,安全な医療を提供するために,看護基礎教育の場においても患者の安全を第一に考えながら質の高い看護を提供できるよう,教育を行うことが求められている。
臨地実習における事故の発生について,土屋1)は「ヒヤリ・ハット体験をもつ看護学生数は,3年生の74.3%であり,多くの学生が事故につながる可能性のあるミスに直面している」と指摘している。
関西医科大学附属看護専門学校(以下,当校)では,実習期間中に何らかの事故を起こした学生は,実習指導者や担当教員の指示のもとにふり返って整理し,所定の報告書にその内容,その時の状況,患者への影響,欠けていた点,学んだことなどを記載している。
杉谷2)は,「事故報告書は,原因究明(事故分析)と再発防止に不可欠であることの理解を学生の時から徹底して求めておく必要がある」と述べている。今回,過去6年間の報告書56件について,その内容や原因を分析し,事故防止に向けての効果的な教育方法について検討した。
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