焦点
第95回看護師国家試験の分析―受験する立場から
安尾 久子
1
1東京アカデミー横浜校
pp.412-417
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100255
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はじめに
2月28日(日)に第95回看護師国家試験が全国11都道府県で実施された。昨年の第94回看護師国家試験と異なる点は,情報の開示により受験生が試験問題を持ち帰れるようになったことである。それにより,受験生は自己採点し,おおよその自分の合否の目安をいち早く知ることが可能となった。
1950(昭和25)年に第1回看護師国家試験が実施されて以来,春と秋の年2回実施されてきた国家試験も年1回の実施となり,出題基準が発表されるといった種々変更や改善がなされ,現在に至った。近年疾病構造の変化や高度医療の専門化により,2001(平成13)年からの国家試験制度の見直しや検討がなされ,その結果,2004(平成16)年の第93回看護師国家試験より内容が大幅に変更された。大きく変わった事項は,第1に必修問題の新規導入とそれに伴う試験時間の変更,第2に試験問題のプール制による問題の非公表,そして第3には試験結果の受験生への直接通知である。このうち冒頭に記したように,問題の非公表は今年から廃止となった。
第93回看護師国家試験からの特徴としては,実践的な知識が要求される出題が増えたことと,過去問題をくり返し行うことや暗記では対処しきれないさまざまな知識の組み合わせを必要とする,考えさせられる問題となってきたことである。そこで,新たな導入から3年目となった今年の看護師国家試験をふり返ってみたい。
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