看護教育研究
看護師の喫煙経験と喫煙に対する意識―大学病院での調査から
鷲尾 昌一
1,2
,
和泉 比佐子
1,2
,
稲葉 佳江
2
,
高村 美智子
3
,
森 満
1
1札幌医科大学医学部公衆衛生学講座
2札幌医科大学保健医療学部看護学科
3札幌医科大学附属病院看護部
pp.184-187
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100228
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煙草が肺がんをはじめ各部位のがんや虚血性心疾患,慢性肺疾患を引き起こし,それらを悪化させることはよく知られている1)。煙草は循環器疾患などの危険因子であり,これらの再発予防,重症化防止のために,看護師は最も身近な,最も多数の医療職として科学的根拠を示し,喫煙者に禁煙支援を行うことが期待されている2)。
看護師や医師は患者に対して禁煙指導を行う立場上,自ら喫煙しない態度が求められている3)。しかし,看護師の喫煙率は一般成人に比べ高いことが報告されている4─6)。看護師の高い喫煙率は世界的に見られ7),WHOでも保健医療従事者や保健医療機関での禁煙を勧告している8)。大井田ら4)の調査では,看護師の喫煙が習慣化した年代は20~24歳が最も多く,新人看護師が喫煙を覚えることを示唆している。大浦ら9)は入学時に同年代の学生に比べて低い看護学生の喫煙率が後で高くなるのは,大きな問題であり,看護師になってから煙草を吸わないようにする有効な援助方法に焦点を当てた研究が必要だと述べている。
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