連載 看護師資格試験における良質な問題の作成システムおよびプール制度導入に関する研究・4【最終回】
看護師資格試験のプール制導入に関する課題
佐々木 幾美
1
,
朝倉 京子
2
,
吉田 みつ子
1
,
谷津 裕子
1
,
川原 由佳里
1
,
濱田 悦子
1
1日本赤十字看護大学
2新潟県立看護大学
pp.162-166
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100014
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はじめに
すでに3回の連載で,過去5年間の国家試験の分析と,そこから良質な試験問題を作成・評価するためのガイドライン,その妥当性を検討した結果を報告した。
ガイドラインには,紹介した「多肢選択式問題作成マニュアル」の他に,公募や作成された試験問題を実際に運用するための組織体制を解説した「看護師国家試験プール制度の概要」と,過去に出題された問題を分析評価するための「試験問題の分析評価のための指針」が含まれている。ガイドライン作成の目的は,良質な試験問題を作成するためには,その作成方法の解説とともに多くの問題数を確保することが必要であり,制度が開始となった当面の十分な問題数が確保できない状況の中では,応募された新規問題をプールするだけでは不十分と考えたからである。したがって,新しい問題を公募によってプールするだけではなく,過去に実施された看護師国家試験問題の中から正解率・識別指数・解答傾向・内容妥当性を吟味し,良質と判断できる問題をプールしていくといった組織体制の整備が必要であると考え,検討した。
本稿では,「看護師国家試験プール制度の概要」の中で提案した看護師資格試験プール制度を運用する組織体制を紹介した上で,看護師資格試験プール制度全般に関する今後の課題について考察したい。
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