連載 感染症 Up to Date・46
CRIATIVOS-HIV/AIDS関連支援センターのラテン・プロジェクト
岩木 エリーザ
1
,
津島 ソニャ
1
,
遠藤 明子
1
1CRIATIVOS-HIV/AIDS関連支援センター
pp.792-793
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902962
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ラテン・プロジェクトとは
1990年の入国管理局の法律改正で,外国に住む日系人(日本人移住者の子孫)の労働者受入が可能になり,経済移民として来日している。現在,ブラジルなどラテンアメリカ諸国からの滞日登録者数は10年前の約100倍の約28万人にも増加し,日本の代表的なマイノリティとなっている。
一般に,マイノリティグループは言葉や文化面での障害のため主流社会から疎外され,さまざまな面で弱い立場に置かれている。ラテンアメリカ諸国のエイズの状況(HIV感染者,AIDS患者数約130万人)を考えると,日本のHIV感染者数の増加に関連していかにこのコミュニティが危ない立場に置かれているか明らかである。
こうした認識から1994年にラテン・プロジェクトが生まれた。このプロジェクトは2つの柱で構成されている。1つは厚生省のHIV疫学研究班の協力を得て,ラテンアメリ力系外国籍住民を対象にHIV関連の知識・態度・行動について,疫学,社会学,心理学の視点から調査研究を行っている。もう1つは,学際的研究で得られる情報や調査の結果も参考にしながら,NGO(非営利民間団体CRIATIVOS-HIV/AIDS関連支援センター。以下,CRIATIVOS)としての活動も行っている。NGOと研究グループの連携がラテン・プロジェクトの特徴でもある。
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