研究
高齢者の虐待と支援に関する研究[2]—3県の実態調査から
佐々木 明子
1
,
高崎 絹子
2
,
小野 ミツ
3
,
谷口 好美
2
,
水野 敏子
2
,
千葉 由美
2
,
桂 晶子
1
,
佐藤 和佳子
1
,
中村 興睿
3
,
古賀 初子
3
,
田代 裕子
3
,
渡辺 アサ子
4
,
山田 達夫
5
,
旭 俊臣
6
1山形大学
2東京医科歯科大学
3福岡県精神保健福祉センター
4埼玉県市町村保健婦協議会
5千葉大学
6旭神経内科病院
pp.383-391
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902880
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研究目的
近年,寝たきりの高齢者や痴呆性高齢者など何らかの健康障害を有する高齢者の実態や,その介護負担に関する研究は,数多く行われてきている1-4)が,在宅ケア上の課題となる高齢者への虐待の実態やその対応に関する研究は,わが国では田中5)や筆者らの先行研究6)以外はほとんど見られないのが現状である。
筆者らの先行研究6)では,首都圏の市町村の保健婦を対象に看護職が関わった高齢者虐待の実態を,高齢者の状況だけではなく,虐待が生じる家族や地域サービスの特質を探った。その結果,高齢者虐待は虐待の加害者も介護の重圧に耐えかねており,地域サービスを充実させる必要性が明らかになった。しかし,これらの高齢者虐待の実態や看護職の対応状況に関しては,調査対象地域が限定されており,都市部や農村部などの地域特性の有無についての検討は十分には行われていなかった。
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