特集 保健活動と公共性—公的責任の現代性
社会福祉協議会と地域の公共性
藤井 博志
1
1兵庫県社会福祉協議会福祉部
pp.285-289
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902860
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社会福祉協議会の法的根拠と公共性
社会福祉協議会(以下,社協)は社会福祉事業法第74条に定められた民間福祉団体である。さて,この社会福祉事業法の第2条では我が国の社会福祉事業を第1種と第2種に分類規定し,民間団体が社会福祉法人格を取得する根拠にもなっている。社協の多くが実施しているホームヘルプサービスやデイサービスなどの在宅福祉サービスはこの第2種社会福祉事業に位置づけられている。
しかし,社協が法人格を取得する根拠はそこにあるのではなく,実はこの第2条の7項の「前項各号及び前各号の事業に関する連絡又は助成を行う事業」の「連絡」にある。すなわち,社協活動の基本的な目的は地域内の公私社会福祉事業の民間の立場からの連絡調整にあり,かつその立場から在宅福祉サービスの企画・実施を含めた地域福祉推進にある。それゆえに,この「連絡」をもって社会福祉法人格を取得しうるのは地方自治体の中では社協にのみ適用されているのである。そこで全国社会福祉協議会が1992年に定めた新・社会福祉協議会基本要項においては社協の性格規定の1つとして「公共性と自主性を有する民間組織」として表されている。
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