特集 保健所の役割—今まで,今,そしてこれから
[座談会]私たちが考える新しい保健所像
西本 至
1
,
末永 カツ子
2
,
平澤 則子
3
,
戸森 良江
4,7
,
保坂 利恵
5
,
伊藤 清美
6
1厚生省健康政策局計画課
2仙台市衛生局保健予防課
3新潟県長岡保健所地域保健課
4埼玉県花園町保健衛生課
5埼玉県川島町保健センター
6岐阜県高鷲村保健福祉課
7前,埼玉県東松山保健所
pp.608-619
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902773
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西本 地域保健法ができて8か月余り,基本指針が出て4か月たったわけですけれど,この法律の特徴は,市町村と県,特に保健所の役割をかなり思い切って変えていく,あるいは分担を見直す,と同時に,かなり重層的なサービス構造をとることです。いずれにしても,活動の重要な部分を担うのが保健婦さんであるという位置づけは変わりないわけです。今後,市町村で9000人もの増員をしようというのがその1つの証拠ですから,本来保健婦さんには非常に喜んでいただいていいはずですが,実際はそうでもない。
市町村では日常の仕事に追われてなかなか本質的なことが見えないとか,評価がわからない,そこへ仕事がどんどん増えて,マンパワーはどうなるんだ,と不安がすごくあると思うんです。一方,保健所の保健婦さんの場合,企画調整,あるいは市町村への技術支援,情報機能の強化などに,本当に自分たちで対応できるんだろうか,というかなり本質的な不安と,保健所そのものが見えてこないで保健婦だけを取り上げても,なかなかわかりにくいんじゃないかという心配があると思います。
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