特集 現代の保健所論・1
[座談会]保健所と保健所長
阿彦 忠之
1
,
山口 亮
2
,
桜山 豊夫
3
,
大神 貴史
4
1山形県村山保健所
2北海道網走保健所
3東京都八王子保健所
4大分県佐伯保健所
pp.338-345
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100860
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保健所の大胆な統合・再編の中で
阿彦(司会) 地域保健法の施行後,保健所は予想以上のスピードで統合・再編が進みました.全国の保健所数は,平成8年度当時の845カ所から平成14年度には582カ所となり,この6年間で3割以上減少しました.これに伴い,1保健所当たりの人員・組織が拡充され,管轄人口や面積もかなり大きくなりました.さらに保健所は,数や規模の変化だけでなく,組織形態を変えながらの再編が進んでいます.その一つが,福祉事務所との統合です.再編後は「健康福祉センター」あるいは「保健福祉事務所」といった名称が使われています.
もう一つは,保健所を含めた保健福祉部門だけではなくて,農業,商工業,観光,および建設等に関する県の出先機関の大部分を地域ブロック単位で統合し,総合出先機関として再編されたものです.「地方振興局」あるいは「総合支庁」などの呼称が使われ,都道府県庁(本庁)から大幅な権限委譲を受けた,いわゆる「ミニ県庁」の中に,保健所も組み込まれたという形態です.山形県の場合は,二次医療圏と同じ区割りで4つの総合支庁が設置され,村山保健所は村山総合支庁の保健福祉環境部として位置づけられています.
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