特集 「健康づくり」がパスポート―海外に飛び出した保健師
国際保健医療協力と計画・評価
大西 真由美
1
1茨城県立医療大学保健医療学部看護学科
pp.966-973
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902704
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国際保健医療活動の形には,ある国や地域に長期間滞在して実施する開発援助,紛争地や災害被災地で行われる緊急援助,あるいは日本国内の移住労働者や滞日外国人に対する支援などがあります。これらのどの保健医療協力活動にも「計画—実施—評価」のプロセスがあります。これは,日本国内で行われている地域(行政).学校.企業などにおける保健活動と同様です。
本誌2001年2月号に掲載された「【健康づくりはボーダレス⑲】Management Science for Health(MSH)―国際的保健協力NPOの一例」1)のなかで,MSH(米国登録のNPO。保健医療システムのマネジメントを強化するための教育・訓練機会を提供している)のミッションに込められたメッセージの1つとして「組織のマネジメント」という視点が紹介されています。私は,ボストン大学School of Public Health留学中に,このMSHでインターンシップに参加する機会を得,プロのマネジメント集団に接し,「知識」を「実践」に移す手法を学びました。ちなみにボストン大学の講師としてもMSHのスタッフが関わっています。また,青年海外協力隊や国際協力事業団(JICA)の専門家としての経験,その他のNGO(Non-Governmental Organization)/NPO(Non-Profit Organization)での国際保健医療活動の経験などをとおして,計画—実施—評価のプロセスを体験してきました2)。本稿では,これらの国際保健医療活動の経験から,JICAが開発援助において活用している計画—実施—評価の方法について述べてみたいと思います。
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