特集 新人とベテランの育ち合い
【都道府県・市町村保健師の育ち合い】新任保健師と先輩保健師とが学び合う研修
望月 朝味
1
,
金山 みずほ
1
1岐阜県健康福祉環境部健康政策課
pp.830-837
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902684
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1つの部署に保健師が配置され,技術職能集団として現任研修を行うことが容易であった体制は過去のものとなろうとしている。1係1保健師の場合も出てくるなど,職場環境は大きく変わった。保健師はそれぞれ日常業務に追われて自分の仕事をこなすだけに終わり,仲間との話し合い,問題の共有,業務のフォローが図りにくくなるなど,日常の環境も変化している。これまで新任保健師は先輩保健師との関わりのなかで総合的な判断を学び,実践力を身につけてきたため,このような環境の変化は新人育成の阻害要因ともなっている。昨今は,上司が保健師ではない場合も多く,組織を越えた指導体制の強化が必要とされるところである。
こうしたことに対応するため,岐阜県では平成10年に「岐阜県保健婦研修指針」「保健婦の現任研修マニュアル」を作成した。「岐阜県保健婦研修指針」は,今後のあるべき人材育成の方向と体系的な研修体制を示したものであり,「保健婦の現任研修マニュアル」は,現任研修の体制整備を図ることを目的に,各職場での現任研修の具体的な進め方やあるべき研修の姿を示したものである。これらは,市町村と保健所が重層的に機能するには,それぞれが果たすべき役割に応じた研修が必要であること,市町村では体制・機能上研修が実施しにくいことなどから,市町村保健師も対象としている。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.